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意思決定に関わる人たちの思惑

中村昌雄氏(以下、中村):第2部のまとめ「複数人の意思決定プロセスを徹底的に追う」について、いかがでしょうか。お気づきのところがあれば、一言ずつお願いできればと思うんですけど。今度はさっきの逆で、モリイさんからいきましょうか。モリイさんは決裁者さんなので(笑)。

モリイ:そうですね。やっぱり決裁者のところに来る人は多いなというのはあります。

中村:(笑)。

モリイ:自分は逆に、中村さんも言われた技術担当とか、そっちに先に話をしてみるかたちで振りますね。

中村:そうですよね。ありがとうございます。直接お声が聞けて良かったです。イトウさん、いかがですか。

イトウ:今のお話は、私がトップを取ってもダメだった事例のまさに裏付けになったと思うんですけど。関係者の人たちの、それぞれの利害があるじゃないですか。

中村:そうですね。

イトウ:みなさんそれぞれ思いがあって、大義名分は会社のためだけど、実は例えばちょっと手柄を上げたいとかね。個人的なそれぞれの思惑もあるので、営業をやっていた当時は、そういうのにも注意しながらやっていたことを今すごく思い出しました。法人に当たる上では、やっぱりそういうのを考えていく必要があるとあらためて思いました。ありがとうございます。

中村:そうですね。人間模様がありますからね(笑)。ありがとうございます。ナクイさん、いかがでしょうか。

ナクイ:すごく参考になりました。私も決裁者さんとお話しすることが多いんですけど、その中で決裁者さんから、現場を仕切っている人が「ぜひに」と私を推してくださっているという話を聞くことがあります。

けっこう私に当たりがきつい人だったんですけど、実はそういうふうにしていただいていたということが何回かあったので、今のはすごく勉強になりました。

中村:ありがとうございます。サイトウさん、いかがです?

サイトウ:やっぱりどうしても「決裁者につながりたい」とか「決裁者につながれば」と思ってしまうところがあったので、意思決定にこれだけ周りの人が関わっているというのはすごく勉強になりました。

中村:ありがとうございます。決めつけではないんですけど、お客さんごとに、こういうところも注意してやらないといけません。お客さんごとに違いますからね。そこをどう見極めるか、情報を取っていかなければいけないんですよね。

何の情報を取らなければいけないかとか、誰に当たらなければいけないかとかも、現場ではお客さんごとに綿密に違って、営業部隊は一生懸命そこを考えている。そういう細かいところに難しさがあったりします。

「ソリューションの提案」だけでは採用されにくい理由

中村:それでは3つ目。「誰が見ても採用せざるを得ない提案を作る」ですね。採用せざるを得ない提案とは何かと、私、10年間ぐらい研究をしたんですよね。