https://pr.forkwell.com/articles/bug-in-job-changing-for-engineer/

こんにちは。Forkwell の赤川です。 2022年5月、あなたは上位何%?ITエンジニアの年収分布まとめ【データベース完全公開】を公開したところ、ITmedia でも一部が取り上げられ、累計4,000RT以上の反響がありました。特に「エンジニアは自社内で”昇給を頑張る”よりも転職したほうが昇給できるバグがある」という一言に注目が集まりました。そこで今回は「このバグの正体」を掘り下げます。

この記事では、所属する企業タイプによって給与がどの程度変化するのかを報告し、さらに読者の手元で年収シミュレーションが可能なグラフを公開します。また、前回の記事では説明しきれなかった「どのようなアプローチが給与アップに効くのか?」という疑問に取り組みます。これについて結論を先にお伝えすると、自身の役割を変化させるよりも、給与払いの良い企業群に属することが有効、という身も蓋もない話をしています。 データは前回と同様、2022年4月時点で Forkwell に登録するIT/Webエンジニアの匿名データのうち1万人分を利用しました。

それでは本編に入ります。まず注目したのは、属する企業のタイプがエンジニアの給与にどの程度影響を与えるかです。わかりやすい例を一つご紹介します。

開発者体験が良いイメージのある企業グループの年収は?

2022年5月に日本CTO協会が調査結果を公開した「エンジニアが選ぶ開発者体験が良いイメージのある企業」に選ばれた企業30社のうち、外資系企業を除いた 25社を企業グループとし(以下、好イメージ企業グループと呼びます)、このグループに1度でも在籍したことのあるエンジニアの現在の年収を、年代別にグラフ化しました。

日本CTO協会、エンジニアが選ぶ開発者体験が良いイメージのある企業ランキング30

これを、Forkwell 全体のエンジニアの年収分布と比較したものが以下です。

好イメージ企業の下位20%ラインに注目すると、全体グループの中央値ラインと重なっています。同様に、好イメージ企業の中央値ラインに注目すると、全体グループの上位20%ラインと重なっています。 好イメージ企業に属したことのあるエンジニアは、どの年代であっても良い待遇を得ていることが読み取れます。

このように、エンジニアが在籍していた企業をグループ化することで、グループごとのエンジニアの年収傾向を読み取ることができます。

役割・所属企業別の年収シミュレーション

この企業グループごとの年収傾向と、前回の記事で報告した「エンジニアの役割別の年収傾向」を組み合わせることで、役割と企業グループの両方で年収を比較することができます。

それが、以下の比較グラフです。

このグラフでは、役割と、企業グループを選択することで、同じ傾向のエンジニアが、どの年齢で、いくらの年収をもらっているのかを、概算することができます。グラフは一般公開しているため、気になる方は実際に触ってみてください。

役割の変化で年収分布はどう変化するか?

まず、企業グループをスタートアップに固定し、役割を、バックエンド → テックリード → エンジニアマネージャーと変化させてみました。

この順の場合には、役割の変化に応じて、給与分布が徐々に上昇する結果となりました。

企業グループの変化で年収分布はどう変化するか?