https://logmi.jp/tech/articles/327384
山口隆広氏:人はなんとかなりました。次は組織と信頼残高を積むというところで、まだまだ終わりません。
でもどうしようと。信頼残高が足りないという問題があって、とはいえ課題も把握しなければいけないと思ったので、少しショートカットしようと思いました。
もともと組織にいて、信頼残高がものすごく高くて、ファシリテーション能力も高いメンバーがいたので、その人にいろいろ聞いて、1on1してきてほしいという話をしました。もちろんそのメンバーが密告者みたいな扱いをされると申し訳ないので、ある程度匿名性は担保していいかたちでやりました。
(スライドを示して)結果、こんな話が出てきました。「みんな親なので、優しくて場を乱したくない気持ちが強い」とか。一つひとつ見ると「そんなことが?」と思いますが、こういうのがメチャクチャ積み重なってくると日々つらいんですよね。ずっと我慢しているからつらくなっていくので、こういったものを大物小物問わず、片っ端から倒していきました。
あとは、週次で本部長と副本部長に「このあたりが課題なんですけど、知っていますか?」「解決してくださいね」というレビューを毎週やっていました。そうすることで、「1on1で話してもどうせこの組織は何も変わらないんでしょ?」というところから、「ちょっとずつ良くなってるね」「ちょっと話してもいいかも」というところまで、信頼残高も積めるし、雰囲気も良くなっていきました。
とはいえ、信頼残高でいうと、最後はプレイヤーとして仕事ができるかが大きくて。組織のことをやっている人って、だんだん机上の空論ばっかり言う感じになってしまうので、「別にあの人は戦力じゃないし」と話を聞いてもらえなくなってしまうんですよね。
当時(の僕は)、子どもは1才ちょっとで、育児もしなければいけない、仕事もしなければいけない、さらにマネジメントもするんですかみたいな。ハードワークな感じではありましたが、「やらなきゃしょうがない!」ということで、Androidのコードを書いたり、ひたすらいろいろなことをやってなんとかしていました。
最初にプレイヤーとして入っているので、プレイヤーとして結果が出せなかったら意味がないとなると、入社したての頃にしか間違えられないと思ったので、最初の頃にガンガン間違えて地道にやっていました。
(スライドを示して)おまけに少し「つらみ」について書いたので、ぜひ見てください。
(スライドを示して)ここは大事な話です。僕もメガベンチャーに行ったのでわかるのですが、大きい会社とかから来て「こういうやり方が正義なのでやってください」と言われても、「そもそもお前のこと知らないし、信頼していないし、うるさい」となってしまうんですよね。「お前の言うことはわかるけど、気に食わないので聞きません」となってしまうので、そこは時間をかけてでもきちんとやらないと無理だと思っています。
あと「その言い分に共感はできないんだけど、そう思うことがあるのね」と理解するのはすごく大事です。なので、違いを認めずに1色にしようとすると、すごくハレーションしてしまうと思っています。
信頼残高を積む話をしていますが、それを削ってでもやらなければいけないことがあります。本来は採用でやるべきなんですが、今のユニファ株式会社じゃできないことがいっぱいあったんですよね。
「あるべき開発プロセスがいいです」「デザインシステム極めたい」と言われても、プロダクトを8個出さなきゃいけない状態なので、「それはごめん、今は無理だわ」と、(採用した人が)入る時はその話をして謝ります。
中にいるメンバーへは「悪いけど今はできないんだけど、どう思う? その後に転職するパターンもあるかもしれないけど」という話を誠実にやっています。これで離れていったメンバーもいますが、最終的にお互いがそれでいいとなったら、問題ないよねという話をしていました。
次です。人の出入りがある前提のチーム設計をどうするのかという話になってきます。
ユニファ株式会社は優しいので、人が辞めてしまうことなどを大ごととして捉えてしまうんですが、ベンチャーはだいたい2~3年で人が入れ替わります。